JR福知山線脱線事故のケース
JR福知山線脱線事故では、事故を起こした運転士が過去に日勤教育を受けていたことが明らかになっている。当日、伊丹駅で72mのオーバーランをするという運転ミスを犯したことから、時間の遅れは自分が日勤教育を受けることにつながるとしてそれを避けるために過度のスピードを出した可能性が指摘されている。日勤教育を恐れた運転士はオーバーランした距離を短く報告してもらうように車掌と口裏合わせをしていたと報告されている。
航空・鉄道事故調査委員会による最終報告書によれば、事故原因は事故を起こした運転士がミスによる日勤教育を懸念しながら運転していたため、注意がそれて事故に至った「可能性が高い」とする結論を出した。
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事故を起こした運転士に対して、配置転換や再教育が効果的に出来ない。あるいは問題のある乗務員を解雇することが困難である。
多くの生命を預かる運転士であるにも関わらず、資質を問うことや再教育の手立てが十分でない。まして「日勤教育」により矯正できるとは限らない。
情報技術IT革命が進む中、20年も前の安全装置を使い、安全を人手に頼るJRの姿勢に問題があるとする指摘がある。デジタル時代では、事故を防ぐのはIT機器であり、それを導入するのが人であると言われる。
現状の交通行政があまりにも自動車・道路偏重に動いている反面、公共交通については吹きさらし状態であり、財政基盤が必ずしも磐石でない多くの公共交通事業者にとって、行政の積極的支援も無いまま十分な安全対策を導入しつつ経営をも成り立たせるのは困難だ、との指摘もある。その結果、日勤教育という空虚な精神論、或いは恐怖による管理に走らざるを得なかったと見られる。勿論、その理由によって日勤教育が正当化される訳ではない。